試乗記5 Audi RSQ3
ドライブフィーリング<Driving Impression>
まず走り出してすぐに思ったことはエンジン音がとても良いということです。マフラーをスポーツモードにすればより大きくて綺麗な伸びのある音になります。この直列5気筒エンジンの音は同じくアウディのR8や兄弟車のランボルギーニウラカンのV10エンジンに似ていて、特に加速時の中回転域の音やシフトダウン時の音が似ています。リアシートに座っているとマフラーからの音がより近くから聞こえるので後炉に座っている人も十分に楽しめます。回転数が上がるとターボによってトルクが一気に出てきてものすごい加速をします。変速がとてもなめらかで、パドルシフトを使って自分で変速してもあまりショックは無くて、BMWのATと比べると圧倒的に乗りやすいです。
quattro(四輪駆動)なので高速での直進安定性が高く、身構えることなく安心して長時間運転できます。強めにアクセルを踏んでも全く挙動が乱れることはありません。それでいて峠道ではよく曲がり、非常に気持ちの良いドライブをすることができます。曲がるときのステアリングの手ごたえがとてもリニアで、味付けがとても自然です。中立付近の遊びも少なくて切ったら切った分だけ曲がるので運転が楽しかったです。ただ、ステアリングは結構重いので長時間の運転は女性にはつらいかもしれません。設定でステアリングの重さを変えることができますが、ノーマルやコンフォートでも重いので峠道を走っていると腕が疲れました。ブレーキは軽く踏んでもよく効きますが、街乗りでも扱いにくいと感じることはなかったです。半分以上踏むと相当ブレーキが効くようになり、このクルマなら必ず止まってくれるという安心感がありました。
最後に乗り心地ですが、本格的なスポーツ走行を楽しめる硬めな足ではあるものの、普段使いを想定したSUVらしく街中での移動も快適にできるものになっていました。ただ、振動についてはある程度伝わってくることを覚悟しておかなければなりません。エンジン振動が伝わって来る感じはしなかったですが、タイヤから来る振動はステアリングに伝わってきます。スポーツ走行時には有り難いですが街乗りでは疲労に繋がるため、少し気になる部分かと思います。
使い勝手
上の2枚の写真は駐車時のモニターの様子を記録したものです。一般的なリアカメラだけではなく、上空からクルマを見れる画像も用意されています。これは前後左右についたカメラ映像の合成で作られたものなのですが、その合成精度が高くて非常にわかりやすいです。駐車が苦手な方もこの機能があれば安心して停められると思います。
Audiをはじめとするフォルクスワーゲングループは運転支援系の操作をウィンカーの下のレバーで行います。ほかの多くのメーカーはステアリング上に運転支援のボタンが配置されていることが多く、運転中にボタンを確認しながら操作をすることが出来るのですが、アウディは全く運転中にレバーが見えないので操作方法を暗記していないと運転支援を使うことが出来ません。毎日使っていれば操作は覚えるのかもしれませんが、運転支援は命に関わることなので目で確認しながら操作したい人も多いでしょう。そもそもレバーの位置が低すぎて運転中に触りにくいですし、この操作系は改善した方が良いのではないかと思いました。
リアゲートは電動なのでボタン一つで開け閉めすることが出来ます。トランク容量はRSQ3 Sportbackと同じ530 Lです。奥行が広いですし、左右にもえぐりがあるので十分実用的な広さを持っています。ただ床下収納はほとんどありません。トノカバーもついているので、車外から荷物が見えることがないので防犯面は安心です。
後席は4:2:4の分割可倒になっていますが、トランクから席を倒すことが出来ないので後席に回り込んで倒しに行く必要があります。
トランク内部は全て起毛仕上げされており質感が高いのは良いところだと思います。
総評<Conclusion>
今回は5人乗りの本格スポーツSUVであるAudi RSQ3をご紹介しました。普段は家族で買い物やお出かけに行くのにも十分な快適性と広さを持ちながらも、ひとたびアクセルを踏めば直列5気筒の独特で素晴らしい音を奏でながら力強く走ってしまうという二面性を持っており、これ一台でクルマ好きのオーナーもご家族もどちらも満足できる究極のクルマだと思いました。サイズも大きすぎず、都内でも運転しやすいと思いますし、トランクに荷物がたくさん入るので実用性も十分です。アウディならではのどっしりとした安定感のある走りやバーチャルコックピットも体験できますし、他の高級スポーツSUVにはない魅力を持った一台だと思いました。
私はAnyca(エニカ)というカーシェアサービスでAudiの正規ディーラーからお借りしました。このクルマに興味を持たれましたら、お近くのアウディディーラーに直接連絡されて試乗されても良いですし、Anycaを経由してレンタカーとしてディーラーの試乗車に乗ることもできますのでぜひ皆さんも乗ってみて下さい!
本日の記事は以上となります。ありがとうございました。
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